2022.4.25 「相談はこちらへ」更新しました。「Multilingual Hotline」をやさしい日本語で、せつめいしています。

AWC25周年 ! 多言語SNS相談@AWCスタートしています!

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2022.1.5更新しました!

コロナ禍の移住女性  ~エスニックコミュニティによる共助の限界~

あすばる男女共同参画フォーラム2021の助成を受けて、1127日(土)にクローバープラザで講演会「コロナ禍の移住女性~エスニックコミュニティによる共助の限界~」を開きました。講師の新倉久乃さんは、神奈川県横浜市の「寿・外国人出稼ぎ労働者と連帯する会 カラバオの会」で、タイ人コミュニティ活動を通じて相談支援を行っています。コロナ禍の今、ケースワークを通じてみえる、エスニックコミュニティ内の共助の姿、日本社会とのつながり、エスニックコミュニティの役割の限界について聞きました。

 

 同会のある横浜市中央区伊勢佐木町近辺は、1980年代から日雇い労働者の多く暮らす地域で、集住する外国人も多い。コミュニティでは、タイ人が寄進して建立したタイ寺院で宗教行事を行い、地域でタイレストランや古式マッサージ店を経営して同国人を雇い入れる等、精神的にも経済的にも支え合っている。緊急事態宣言が出された早い時期、新倉さんはコミュニティのメンバーらとフードドライブの食料品を袋にわけ、コミュニティ内を歩いた。コロナが生活基盤の脆弱な外国人を経済的に直撃しているのを目の当たりにし、市役所に生活保護の申請に一緒に行くこともあった。コロナ禍の救済策として各種給付金があるが、申請は日本語で行うために手続きできない人や、そもそも日本の社会保障制度や税務がわからず、給付金申請に必要な書類が揃えられない人たちが相談者の89割にのぼった。言葉がわからずコロナワクチンの接種ができない人も多く、子どもが休校で家にいるため仕事に出られないシングルマザーもさらに困窮していた。

 

エスニックビジネスは共助の場になっている。これは言葉の壁などから外国人にとっては日本社会に就職の場が狭く起業するしかない、またはそこに仕事を求めるしかないからで、その結果日本社会とのつながりも希薄になる。また、彼らにとって母国の社会は厳しく、福祉や社会保障制度が整備されていないため、必死に働き続けることでしか困窮を切り抜ける方法はないと思っている。福祉を頼ることは想定外だ。最低賃金が守られていなかったり雇用先で社会保険に加入手続きがされたりしていない等の労働者としての権利についての知識がない、納税や社会保障制度について知らないということも見えてきた。子どもたちの教育格差は親の経済格差を映し出し、外国籍母子家庭の生活保護受給率の高さは彼らの経済的な脆弱性を裏付けている。

 

これらはコロナ禍の問題のように見えて、実はコロナ以前から滞留していた問題だと新倉さんは指摘した。同じ日本、同じ町、同じ時間を過ごしていても、私たち日本人と外国から来た人たちとでは違う世界を見て、そして生きているというのだ。多数派である私たち日本人は無意識のうちに管理する側に回り、少数派の外国人は管理される側にあたる。新倉さんは、これを“権力”と“コントロール”にあてはめ、DVの構造に例えた。片方がいつも我慢し虐待と孤独に耐えるという構図だ。その意味では、エスニックコミュニティ自体も管理される側でその共助にはおのずと限界がある。

 

DV被害の後の離婚で、わが子を手放さざるを得なかったタイ女性のケースも紹介された。母親は豊かな日本で父親と暮らす方が子にとっては幸せだと信じていた。女性たちがそれだけ母国での過酷な環境を背負っていることに、支援者は思いを馳せなければならない、と新倉さんは強く訴えた。

 

 外国人は「助けてほしい」と声をあげられない。困難を抱えながら社会ではその姿が見えず、また声があげられない人たちがいることをエスニックコミュニティは教えてくれるという。彼らが公助につながっていくためには、社会が彼らの声、思いに心を寄せていかなければならない、と講師は結んだ。

 

後半は、会場やオンラインからの質問や意見を受けました。「SOSが出しにくい人へのアウトリーチ」「民間機関で受けた相談を公的支援にのせる工夫」等について質問が出され、新倉さんは自身の支援経験を交えながら丁寧に回答されました。

 

参加者の感想

・日本が嫌なら自分の国に帰ればいいと言う人も少なくないはず。そんな日本で外国の人が公助・共助を求めるには日本人の積極的な関与が必要。私に果たして何ができるか考えてみようと思う。

 

・日本人としてこの国に住んでいることが無意識でも権力を持つ側にいるのだという話にはっとさせられた。


AWC24周年 ! 多言語SNS相談@AWCスタート

199711月にアジア女性センターが活動を始め、先月まる24年を迎えました。当時は、80年代後半からのバブル景気を背景に多くの移住労働者が来日した後、日本人男性と家庭を持ったアジア出身の女性たちが、ここ福岡にもたくさんいました。子どもの養育、離婚、ドメスティック・バイオレンス家の中で起きるこれらの問題が外に漏れることはなく、日本に親族もいない彼女たちは、理解者も相談できる相手もなく孤独の淵においやられていました。地域に暮らす仲間として、彼女たちを支え共に生きていこうと活動をスタートさせました。

 

1997年を検索してみると、「改正男女雇用機会均等法の成立」「ペルー日本大使公邸人質事件」「アジア通貨危機」などのニュースの他、「ルーズソックス」などのワードにも出会い懐かしさも覚えました。

 

あれから間もなく四半世紀です。AWCが主に支援対象とするのも、以前は日本人夫と結婚して移住した外国人女性が中心だったのに対し、最近では自身や家族の仕事のために日本で暮らす移住女性や、自身もパートナーも共に外国人という相談者へと多様化してきています。社会の在り方や相談者の背景が変化していっても、相談当事者の気持ちに寄り添い、関係機関との連携の中でAWCとしての歩みを進めていきたいと思います。

 

多様な背景をもつ相談者に対応できるよう、11月から『多言語LINE相談@AWC』を始めました。これは、「WAN基金コロナ禍対策女性連帯プロジェクト」の助成金を得ての実施です。対応は、英語、中国語、韓国語、タイ語、ポルトガル語、スペイン語、ロシア語、タガログ語の8か国語です。相談者の抱える問題を、LINEアプリを通じて外国語で受け、多言語相談員と日本人相談員とで協力しながら対応します。必要に応じて相談者の暮らす地域の公的機関と連携したり、音声通話に切り換えたりしながら対応していきます。Wi-Fi環境さえあれば、負担が軽く相談につながるのがSNSのよさです。周囲に必要な方がいらっしゃったら、ぜひご紹介ください。ご相談、お待ちしています。

 

下記QRコード から。

    


女性たちはもともと力を持っています。



 しかし、DV(ドメスティック・バイオレンス)や人身売買、セクシュアルハラスメントなどの暴力や差別によって、
その力が失われているときがあります。

 アジア女性センターは、女性と子どもの人権が守られ、力を取り戻すことが
できるよう様々な活動を行い、支援をしています。

人権擁護特別功労賞をいただきました

 

20191219日、法務省で「人権擁護功労賞」の表彰式が行われ、事務局スタッフとともに出席いたしました。アジア女性センターは、人権擁護特別功労賞(ユニバーサル社会賞)をいただきました。

 

 

人権擁護功労賞は、人権擁護活動に顕著な功績があった団体や個人に対して法務大臣等が表彰を行うものですが、2015年度からは、「人権擁護功労賞特別賞」(ユニバーサル社会賞)が設けられ、「共生社会の実現に向けた人権擁護活動において顕著な功績があった団体」ということで顕彰されました。長年にわたって国籍を問わず日本に住む女性に対する支援をしてきたことが評価されました。これもひとえにスタッフ、会員の皆さまをはじめ、いろいろな形で支援してくださっている方々、そして何よりスタッフと一緒に困難な状況を乗り越えてきた女性たちの活動の賜物です。この場を借りて心よりお礼申し上げます。

 

 

 表彰式は法務大臣室で行われましたが、単に儀礼的なものではなく、法務大臣を囲んで各自がこれまでの活動を紹介したり、表彰者の音楽の演奏があったりと、和やかで優しい雰囲気だったことがとても心に残っています。同じくユニバーサル社会賞を受賞した高知で活躍されている全盲のシンガーソングライターの堀内佳さんが歌を披露されたときには、法務省職員をはじめ多くの同席者の涙を誘いました。

 

 

 表彰式を終えて、改めてアジア女性センターのこれまでの活動の重みを感じました。「日本で暮らす外国人女性たちの支援」と一言で言えば簡単ですが、言葉の問題、異なる家族観や家族関係、経済的な問題など様々な問題が日々の支援活動に複雑に絡んできます。国際社会での日本の立ち位置や個人の努力だけでは解決できないことが影響しています。国際化が進み、私たちの隣人としていろいろなルーツを持つ人たちと暮らすことが普通になってきている中、アジア女性センターの役割はより大きくなっていると痛感します。

 

 

 これからも皆さんと一緒にがんばっていきたいと思います。

 

(理事長 横山美栄子)